「直感医療者」という、耳慣れぬ肩書を持つ、キャロライン・メイスの著作、『七つのチャクラ』(サンマーク出版)をひも説いている時、興味深い記述に出会った。
「象徴的に考えてみると、エイズの出現はグローバルなレベルでの病気といえるような気がした。カリニ肺炎という病気は、地球の最大の酸素供給源である熱帯雨林の破壊を象徴しているのだろう。同じように、多くのエイズ患者の皮膚に形成されるガン性のガボジ肉腫は、地球の自然の表面の破壊を象徴している。その最も劇的な例は核実験かもしれないが、有毒な廃棄物や、さまざまなかたちの公害もその象徴だ。そして、人間の免疫系の障害は、地球のオゾン層を象徴しているとも考えられる。…」
直感医療とは、簡単に説明すれば、人間の目には見えない「気」を読む能力を使って、さまざまな病を発見し、その原因を探り、現代医療と連携をして、健康を取り戻すプロセスをさす。
さまざまな病は心理的なストレスから発生し、身体と、心と霊は密接な繋がりを持つという彼女は、象徴的な物の見方への学びについて書いている。
人生で直面する困難から、意味を見出すこと。自分の健康にどう繋がりを持つかを見つめること。
その延長上に、特定の病気が流行しやすい体質になる原因は何か、社会的に流行する病の背後にある、集団の感情的、身体的ストレスは何か、と、大きな視点で「病」を見つめる方法がある。この方法は、これからの「日本」に起こり得る放射線障害における健康被害に、何か新しい扉を開いてみせるのではないだろうか。
エイズという病の出現を読みとるように、放射線障害によるガンの発生を、どう読み取るか。地球という生命体に立ち現われるどのような現象と重ね合わせるか。
海水が放射能で汚染されるという現実は、あらゆる生命エネルギーの衰退に繋がり、水は、命をつかさどる血であり、水という豊かな始原こそが地球の美しさであるとするならば、この青い澄んだ色を持つひとつの星が、滅亡への道を歩み始めているのかもしれない。
なぜ、原発問題は引き起こされたのか。その原因を、わたしたちは、これから長い時間をかけて、自らの胸に問いかけ続けなければならない。
そして、今ここにあるひとりひとりの生命が、身体の、心の、「浄化」を一心に願い、志し、実践していくことができれば、再生への道は開かれていくだろう。
「希望」を失えば、さらなる「病」が訪れる。今この現実を踏まえて、心を光へ向ける努力を、ひまわり花開く未来へと、瞳を開いていこう。困難を希望に変える内的な力を、きっとわたしたちは持ちえているはずだから。