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恋愛

2010年12月26日 (日)

恋人たちのクリスマス

 昨日はクリスマス、町は幸せそうな恋人たちでいっぱいでしたね。

 駅で電車を待っていたら、お互い驚いたようすのカップル同士が、うれしそうに、恥ずかしそうに、はしゃいでいました。

 きっと。4人は、みんな同じ学校の知り合い同士、高校生かな?なのだけれど…。それぞれが、付き合っていることを初めて知って驚いている様子!

 「デート? え、本当に? 知らなーい!」

 秘密がそっと光にさらされる瞬間。

 教室では、内緒だったこと。

 でも、

 「さよなら~」

 と、お互い驚きながらも、本当にうれしそうに、笑顔で別れて行きました。ほっと、あったかい気持ちになりました。

 きらきらした1日を、過ごしたのでしょうね。

 

 ふたり、つないだ手が、温かそうでした。

 

 

 

 

2010年11月11日 (木)

舞姫は15歳

 今日の朝日新聞の夕刊記事に、森鴎外の小説『舞姫』の主人公エリスのモデルについて、31歳の人妻説も出されていたが、15歳の少女説を補強する証拠をテレビディレクターの今野勉さんが見つけたと書かれていた。

 女性から贈られた刺繍用の型金の分析などから判断したという。

 ドイツ留学体験に基づく、恋物語の相手、アンナ・べルタ・ルイーゼ・ヴィーゲルト、その名から、次女の杏奴(あんぬ)、三男に類(るい)、と名づけたとの見方もあるようだ。

 31歳の成熟した人妻も15歳の可憐な少女も、鴎外の恋の相手として、不意にまぶたに浮かんでくる。

 謎めいた、ひと時の愛を詮索して何になろう。

 ひとつの恋がひとつの優れた作品を生み出した。それで良いと思いつつ…

 作品の背後に、解けない魅力的な謎を残すことも文学の面白さかもしれない。人間存在そのものが、謎に満ち満ちているのだから。

 そして、思いだす。鴎外には、日露戦争に軍医として出征していた折、17歳年の離れた再婚相手、新妻しげにあてた、愛情あふれる手紙も残されていたことを。

 『妻への手紙』(ちくま文庫)より。

 「…手紙はいくらでも遠慮なしによこして好いよ。おれの処へは色々な手紙が毎日十本ずつ位来るのだからやんちゃのが其中にまじって居たって目立ちはしないよ。…

 やんちゃ殿」

 生の流れのなかで、その時々愛した人々を、大切に思った、鴎外の心の温かさを感じる。作家「森 鴎外」ではなく、「森 林太郎」として、生を閉じた理由も、家族に語りかける柔らかなことばから、透けて見えてくる気がする。 

 

 

2010年10月17日 (日)

詩の神様

詩の神様が訪れて、ここしばらく、ブログに向かう時間が少なくなっています。
ことばが羽のように降って来るので、いつも、胸を開いて待っていなければいけません。

まるで、恋人を待つように、ただ一心に求める日々。

だって、ずっと訪問し続けるものではありません。


神様は風のよう。


残り香がしんと心に沈んでいきます。

しばらくは、逢瀬が続きそうです。


どんな詩が生誕するのか、楽しみです。


2010年8月18日 (水)

眠る、愛

 「トマーシュは、女と愛し合うのと、一緒に眠るのとは、まったく違う二つの情熱であるばかりか、対立するとさえいえるものだといっていた。愛というものは愛し合うことを望むのではなく(この望みは数えきれないほどの多数の女と関係する)、一緒に眠ることを望むものである(この望みはただ一人の女と関係する)。」

 ミラン・クンデラの『存在の耐えられない軽さ』の一ページ。

 「眠る」という行為はもっとも無防備で、安らかな時間。

 魂は故郷へ旅し、スピリットは、豊かなエネルギーを携えて、体へと戻ってくる。

 愛おしい「眠り」を共有できる温もりが、「愛」だろうか。

 愛し合うことも眠ることも、ただ一人、と思うのは女の心理か?

 テレザが眠るとき、トマーシュの、手首や、指やくるぶしを握る。子どものように。

 今この手にある温もりを手放すまいとする、彼女の行為が哀しくも愛おしい。

 人はみな、ひとり。

 だが、つないだ手の温もりを感じている瞬間は、ふたり、でいられるのかもしれない。

 夢幻の時間、人生の、安らかな、ひととき。 

2009年6月11日 (木)

男と女の、データファイル

1、「名前をつけて保存」

2、「上書き保存」

 パソコンファイルの整理の方法、1、と、2、の違いがわかりますか?

高樹のぶ子著『うまくいかないのが恋』(幻冬舎)によると、1、「名前をつけて保存」が、男性の恋、2、「上書き保存」が、女性の恋だそうだ。

男性は、ひとつひとつの恋をファイルにして丁寧にとっておく。

女性は、上書き、過去はきれいに見えなくなり、今が全てとなるそうだ。

男性の方が、繊細で、女性の方が大胆、

男性の心は、にぎやかが好き、本当はさびしがり屋、

女性の心は、たったひとりで十分に満たされる、ひとりで立つ強さがある、とも言えるのだろうか。

男性原理と女性原理を表していて面白い。

ラプンツェルと王子を結ぶ、声

グリム童話集の「ラプンツェル」。(岩波少年文庫)

恵まれない夫婦に授かった一人娘、ラプンツェルは、母の胎内にいるとき、魔女の庭のラプンツェル(サラダ菜)を食べたことから、生まれた瞬間、魔女にさらわれ塔の上に幽閉された。

美しい娘に育ったラプンツェルは、金の糸をつむいだような、美しい髪を持っており、魔女がこう叫ぶと、その髪を塔の窓から垂らす。

「ラプンツェルや、ラプンツェル、さぁ、髪をたらしておくれ」

その髪をたよりに、塔の上へと昇る魔女。

ある日、ある国の王子が、優しい声で歌うラプンツェルのとりこになり、魔女が声をかけて、ラプンツェルの髪をたよりによじ登っていく様子を見て、同じようにラプンツェルに声をかけた。

「ラプンツェルや、ラプンツェル、さぁ、髪をたらしておくれ」

その髪をたよりによじのぼり、王子ははじめてラプンツェルに会う。ラプンツェルは驚くがすぐに好きになり毎日幸せな時間を過ごした。

ところが、ある日、ラプンツェルは、魔女に、こう言ってしまうのだ。

「おばあさんは、王子さまと違って、ほんとうに重たいわ」

魔女は、怒り、ラプンツェルの髪を切ってしまう。

何も知らない王子が、また塔の上へあがっていくと、魔女は、ラプンツェルにはもう二度と会えないと言う。王子は絶望のあまり、塔から飛び降り、目が見えなくなってしまう。

王子は、森をさまよい、ラプンツェルは、荒れ野をさまよった。

しばらくの時が過ぎて、王子は、ラプンツェルのいる荒れ野にたどりつく。そして、王子は、ラプンツェルの声を聞いて、聞き覚えのある声だと思い、その声の方へ歩いていく。

ラプンツェルと王子は、再び、巡り合う。喜びの涙が王子の目に落ちると、王子の目は見えるようになり、王子の国へ帰り、しあわせにくらす。

童話の中に、二人の会話は、ない。どんな話をしたのだろう。お互いの声の記憶が残るほどに。

声が結んだ愛は、魔女にも引裂けないのだ。

小さなページの隅に、声の力を感じた。