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2014年9月 4日 (木)

詩人、作家の稲葉真弓さん逝去

  稲葉真弓さんの逝去の知らせから、3日が経った。時間の流れや、秋の風がからからと心をすり抜けていく。9月1日にフェイスブックに掲載した文章を、転記しておく。あの日を、忘れないように。

 今朝、少し薄曇りの空の下、開いた新聞で見た稲葉真弓さんの訃報から、ずっと彼女の涼やかな聲が耳元で鳴っている。


   昨秋、10月13日、銀座資生堂ビル、花椿ホールで開催された、Projet La Voix des Poètes (詩人の聲)1000回記念公演の際の稲葉さんの姿を思い出していた。

 稲葉さんの出演時間が近づいた時、会場前へ移動して頂くために声をかけた。薄闇の中、ゆっくり誘導した。稲葉さんは、前方に天童さんの姿を見ると、いつものお優しい笑顔をくしゃっと見せて、近づいて行かれた。一瞬の、人懐っこい自然な微笑みが印象的だった

 その日、参加詩人は、原田道子さんが作って下さった小さな金色のリボンを身につけた。それぞれ好きな場所、胸元や襟元に。

 稲葉さんは、薄いグレーのベレー帽にそっとつけていらした。小さな金色の蝶が、親しげに止まっているようで可愛らしかった。

 あの金色のリボン、蝶の光は、「なにもかもを忘れていく/宿命のような人生のなかで」光り輝く「いま生きていることの喜び」だったのかもしれない。(「」内は、『連作・志摩 ひかりへの旅』「金色の午後のこと」)

 また、繰り返し、秋という季節がおとずれる。あの日からまだ一年も経っていない。稲葉さんのベレー帽から飛び立ってしまった蝶を、今年は見上げる。

                                     (9月1日神泉薫 FB記事より)

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