「茨城の文化」48号に詩作品「梅の花─水戸の六名木に」を発表
春はどこへいってしまったのか、肌寒い朝です。
先日、茨城文化団体連合から発行されている機関誌「茨城の文化」48号に、詩作品「梅の花──水戸の六名木に」を発表しました。
昨年、九月一日から、翌年一月十九日にかけて、平成24年度茨城県芸術祭が開催されましたが、その催事のひとつである、茨城文学賞、詩部門において、拙詩集『あおい、母』が受賞しました。そのご縁で、今回、故郷を思う一篇を書きました。
梅の花、といえば、水戸の偕楽園。咲き誇る梅の花の匂いを胸に吸い込むと、幻想的な世界に誘い込まれます。
偕楽園は、水戸徳川藩第9代藩主、徳川斉昭が、民と共に楽しむ場にしたいという願いを込めて創られたそうです。造園の計画は、天保4年に考えられましたが、大飢饉のために、進まなかったと、歴史をひも説くと書かれています。
荒む日々を明るく照らす、美しい梅の花を、人々は胸に思い描いたことでしょう。その具現化が、偕楽園の、花々の姿なのだと思います。「茨城の文化」編集後記を読むと、震災の痛みがまだまだ、色濃く残っています。
時を超えて、斉昭の願いのままに、人々の心に、梅の花が咲き続けることを願ってやみません。
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