余白のように
白いシャツを着て出かけたら、ふいに田村隆一の詩の断片を思い出した。
白という色を産みだすために
ただそれだけのために
ぼくは詩を書く
一行の余白
その白
その断崖を飛びこえられるか
白
(「二月 白」)
横書きだと、ピンとこない数行だが、余白の一行の清々しさは伝わるだろうか。
何もない無の空間に広がる沈黙の豊かさと存在感。
田村の詩の一行のような、すっきりとした「人」になりたい。
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