JAZZと詩と踊りのアニヴァーサリー
8月8日(日)の真夏の夜、近所の相模原メイプルホールで、JAZZと詩と踊りのアニヴァーサリーが行われた。
出演は、沖至(tp)、TCANGODEI(pf)、上杉満代(舞踏)、白石かずこ(詩朗読)、なんとも贅沢なイベントだった。
大野一雄氏へのオマージュから始まった白石かずこの朗読には、大野慶人氏が小さな人形を携えて踊り、大野一雄の魂が舞い降りてきたかのように思えた。
白石の、高らかで官能的な、声のリズムに合わせて、そっと姿を現した上杉満代の、幽玄の美、異界をまなざす瞳の、あやしくも少女のような佇まいに惹きこまれた。胎児のようにうごめく、肉体の、ふるえは、さまざまな音の破裂音を引き込み、声、ピアノ、トランペット、四方八方に飛び散るエネルギーの饗宴が会場を沸かせた。
上杉の髪につけられたオレンジ色のホオズキが、緩やかな動きに合わせて揺れるさまが、エロティックで、忘れられない。
はじける実の甘酸っぱさを思い起こしながら、ひと時の夢の時間の後、生の喜びと儚さに思いをはせた。
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