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2010年5月26日 (水)

うら若草のもえいずる心まかせに

 朝の窓から吹き込む風に、雨の気配が漂っている。昼ごろから雨になるらしい。しっとりとした、空のたたずまいだ。

 風の匂いが旅情を誘い、萩原朔太郎の詩が、くちびるに上ってきた。

 旅情

 ふらんすへ行きたしと思ヘども

 ふらんすはあまりに遠し

 せめては新しき背広きて

 きままなる旅にいでてみん。

 汽車が山道をゆくとき

 みづいろの窓によりかかりて

 われひとりうれしきことをおもはむ

 五月の朝のしののめ

 うら若草のもえいづる心まかせに 

                    『萩原朔太郎詩集』(岩波文庫)

 気ままな心に誘われて、日常を離れて、新しい景色が見たくなる。

 詩は、たった数行で、未知の旅へと心を連れ去ってくれる。移り行く季節の、色鮮やかな営みを、もう一度、ことばでたどる。

 フランスは、もう遠い時代ではないけれど、憧れるピュアな思いは、永遠のものだろう。

 魂が焦がれる土地へ、私も、早く行ってみたいな。

 

 

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