カロッサの光
透明な光を感じる、ことばの贈り物。
カロッサの詩。
河辺の森に隠されていた
河辺の森に隠されていた
朝の太陽。
私たちは岸から突き進んだ。
太陽も水中に飛び込み、
流れのうえで私たちの
煌めく同行者になった。 (カロッサ詩集 田口義弘 編・訳 小沢書店)
私たち、とは、少年たちだろうか?
光に煌めく少年たちの黄金色の髪、水に濡れた肌が、鮮やかに見えてくるようだ。太陽の生命力、と共に、水の行方をたどっていく。
さわやかな、生の喜びと、静謐なエロティシズムが漂う。
ページから、跳ね上がる水しぶきを頬に感じた。
閉じれば、不意に日常の、微粒子。
ページを開く、閉じる、一瞬の狭間に、異世界の光が、眩しく光る。
その一瞬の為に、生かされる、心がある。
ことばの「美」に触れるひと時。
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