フォト

最近の記事

Facebook

Twitter
2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« よあけのしずけさ | トップページ | 春からは »

2010年1月24日 (日)

銀の舞台

 銀色のスケートリンクの清々しさ。久しぶりにスケートを楽しんだ。

子供のころ、冬のスポーツといえば、スケートだった。野外スケート場には頻繁に足を運んだ。母が編んでくれた毛糸のケープや帽子をかぶって、丸く、くりぬかれた青空を、とおく眺めた。冷たい空気が頬をかすめるが、体は内側からほんのり温まり、飽きもせずに、くるくるとリンクを回り、風と対話した。ともだちとも、連れだってよく通った。手をつないで滑走しては、しりもちをついて笑った日々。甘いココアが、柔らかな幼年の記憶をやさしく包みこんでいる。

しばらく履いていなかったスケート靴も、一度リンクに立てば、自然に足が滑りだすものだ。子供のころ、体で覚えた感覚は、細胞にしみ込んでいて、簡単には忘れない。

リンクの中心では、フィギュアスケートの練習をする妖精のような女の子たちが、ジャンプやステップの練習をしていた。華やかな舞台の陰に、静かな試みの時があるのだな、とまぶしく眺めた。

それにしても、製氷され、きれいになったリンクに足を踏み込む瞬間のさわやかさは本当に、心躍る。

まるで、日々、少しずつたまってしまう心の澱が美しく拭われ、生きる呼吸が、すっと楽になるかのような。

一新されたリンク。晴れやかなぴかぴかの氷の美しさ。心の鏡はいつも、磨いていなくては。そんなメッセージが伝わってきた。

重くなったスケート靴を脱いで、外へでると、まぶしい青空がたかい。まろやかな日差しが、肩にゆっくりと落ちてきた。

« よあけのしずけさ | トップページ | 春からは »

スポーツ」カテゴリの記事